天空オフィシャルブログ

奈良県の南部、大台ヶ原山から北西に、経ヶ峰、伯母ヶ峰と高く険しい山々が続き、伯母峰峠。

この峠には毎年12月20日のみ一本足の凶悪な妖怪、妖怪一本だたらが出没して通行人を襲うと言われています。

ご多聞に漏れず昨年も何人かが襲われ帰らぬ人になったとのことです。




では、妖怪一本だたらとはなんなのか？

その昔、峠の南、天ヶ瀬に住む射場兵庫という鉄砲の名人が犬を連れ狩りに出たところ山の中で何かが動きました。

なんだろうと思いきや背中一面に熊笹を茂らせた大猪だったのです。慌てて鉄砲を撃ち、確かに獲物を射止めた手応えはあったのですが、なぜか大猪の姿はなく、血の跡だけが残っていたそうです。

後日、熊野の湯の峰に、足を傷めた一人の野武士が湯治に来ました。

武士は宿の主人に「絶対に部屋をのぞくな」と固く言いましたが、覗くなと言われると何が何でも覗きたくなるこが人の性。

密かに中をうかがうと、寝ていたのは、背に熊笹を生やした大猪だったのです。とその時です。大猪は何処ともなく忽然と消え失せたのです。

その後、伯母峰峠あたりで一本足の妖怪が村人や旅人を喰うという噂が広まりました。目が一つで、大きな赤い口。足が一本。。




細かい経緯は省略しますが、丹誠という高僧が法力で妖怪を封じ込めて妖怪一本だたらが出没することはなくなったのです。ただ、12月20日だけは妖怪の自由に任せるとの約束で、今も「12月20日だけは峠を通るな」と言い伝えられています。

ちなみにWikipediaによると、妖怪一本だたらは大台ケ原っだけではなくあちこちの山奥に生息していてるようです。

山の遭難者の多くが恐らく妖怪一本だたらに襲われたものと思われます。


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